やりがいのある仕事をし、野菜たっぷりの食事をし、近所の人とスポーツや趣味にいそしんで、最期はピンピンコロリと旅立ってゆく──そんな桃源郷のような 健康寿命 を誇れる県が存在するんです。
我々の健康維持に欠かせない「日常生活動作が自立している期間=健康寿命」について、長野県が5回連続で1位という結果になったようです。
しかし、そもそも長野県は、以前から長寿県だったわけではないのです。
昭和40年の調査では、男性の平均寿命は68・45歳で全国9位、女性は72・81歳で26位で、なかでも、当時は脳卒中の死亡率が全国1位だったんです。
いったい、なぜ長野県は寿命を延ばすことができたのか。また何故、長野はこれほどまでに健康かつ、長寿をキープできるのでしょうか?
その秘訣を徹底的に調べてみたいと思います。
そして、この記事の中から皆様方にとって少しでも、アンチエイジング、また今後の人生を謳歌できるお役にたつ情報を生かしていただければ、こんな嬉しいことはございません。
画像引用元:じゃらんレンタカー
話のきっかけは8/8付けのこちらの記事
県は7日、国が健康寿命の指標の一つとしている国民健康保険中央会(東京)算出の「日常生活動作が自立している期間」が、2018年に県内は男性81・0歳、女性84・9歳となり、男女とも全国1位だったと明らかにした。過去に公表された10、13、16、17年分でも男女で1位となっており、5回連続で最長となった。
昔から言われてはいることですが、こうして実際に毎年のように長野県の健康寿命に関するニュースが出てくるというのは、やはりなにか大きな要因があるのではないでしょうか。
目次
最新版 日本人の平均余命は?
男性の平均寿命…81.41年
女性の平均寿命…87.45年
厚生労働省が公表したデータ※によると、男性の平均余命は81.41年、女性は87.45 年。男女の差は6.03歳となった。男女とも過去最高を更新している。
※厚生労働省「令和元年簡易生命表」「主な年齢の平均余命」より
なお、同データの「平均寿命の年次推移」によると平均余命が80歳を超えたのは、女性が昭和60年、男性は平成27年だった。
また、昭和22年にさかのぼると、男性50.06年、女性53.96年。過去約70年で50歳から80歳へ、平均余命は30年も伸びているということになる。
人生100年というのも モウ目の前に
「人生100年時代」という言葉が浸透して4年。もともとは英ロンドンビジネススクール教授のリンダ・グラットン氏が2016年にベストセラーとなった著書『ライフ・シフト』で提言した概念であります。
同書では約100年後の2107年には主な先進国で半数以上の人が100才を超えて長生きするようになり、80年で考えられてきたこれまでのライフサイクルを見直す必要がある、と説かれています。
しかし、たとえ超長寿を実現して1世紀以上生き続けられたとしても、体の自由がきかなかったり、病気にかかっていればその楽しさは半減してしまいます。
そこで重要になってくるのが、「健康寿命」という考え方。最期まで自分の足で歩くことができ、自分の歯でおいしい食事が食べられてこそ、幸せな老後ではないかということです。
この「健康寿命」を延ばすヒントが長野県にある。
信州が 健康寿命 であることの大きな理由
県によると、健康寿命 は男性80・7歳、女性84・7歳でともに1位(女性は大分と同率)でした。
諏訪中央病院名誉院長で、46年にわたり長野県の健康長寿化に尽力し、いまも長野に住む医師の鎌田實さんはこう分析する。
「長野は過ごしやすい気候や環境、そばをはじめとする独特の食文化など、健康になれる条件が整っていると考えられます。
気候のうえでも、お盆前後の1週間は暑さが厳しかったものの、それを過ぎたいま、とても過ごしやすい日々が続いています。朝や夕方は、長袖がないと寒いくらいです」
46年にわたって長野の医療と健康に貢献してきた医師の鎌田實さん。著書の『図解 鎌田實医師が実践している 認知症にならない29の習慣』にあるように、自身もスクワットなどで体を鍛える日々
生まれ育った土地の気候も採れる作物も、われわれの努力でどうにかなる問題ではない。こう聞くと「恵まれた土地に住んでいるから健康なのではないか」と肩を落とす人もいるかもしれない。
だが、心配ご無用。というのも、いまでこそ長生きで知られるようになった長野も、古くからの長寿県というわけではないからだ。たとえば1965(昭和40)年の調査では、男性の平均寿命が68.45才で全国9位、女性は72.81才で26位だった。
序章で述べている通り、脳卒中による死亡が全国ワースト1位になった年もあること。当時は長寿どころか、全国的に見ても中~下位に甘んじていたことになる。
そんな長野が現在のような「健康県」へ生まれ変わったのは、鎌田さんら医療関係者の活動や自治体の健康への取り組み、そして県民の努力が実った結果なのだ。
つまり、彼らがこの半世紀にどんな行動をしてきたのかを知り、同様のことを取り入れれば、私たちも夢の健康長寿を手に入れられる可能性にぐっと近づけるということになるわけです。
信州名物のスーパーフード
野沢菜漬け
発酵食品の野沢菜漬けは長野県の健康長寿を支えるスーパーフード
「46年前、長野の病院に赴任して以来、患者さんをはじめとして県民の皆さんに“野菜を食べましょう”と啓蒙してきた結果、いまでは、長野県の野菜摂取量は日本一になりました。
それに伴い、脳卒中の死亡率も大きく下がったのではないかと思います。なぜ野菜がいいかといえば、野菜に含まれるカリウムが、血圧上昇の原因となる体内の塩分、つまりナトリウムを尿として排出してくれるからです。おかげで血圧が安定し、脳卒中を減らしてくれる。
また、全身で悪さをする慢性炎症を抑えてくれる働きもあります」と、鎌田さんはまず、食についてこんな指摘をしています。
長野の特産品、野沢菜。抗加齢医学を研究する医師で千葉大学医学部予防医学センター客員教授の白澤卓二さんも、「長野県は野沢菜の消費量がダントツに多い。
雪に閉ざされ、食べるものがなくなってしまう長い冬を乗り越えるための保存食として伝統的に愛されてきた野沢菜漬けは植物性乳酸菌を含む発酵食品。
皮膚や粘膜の細胞を正常に保つ働きがあるβ-カロテンが豊富なうえ、乳酸菌が生きたまま腸に届き、さまざまな効果が期待できます」
最近色々と野沢菜について調べているうちに本当に素晴らしい健康食品に出会いました。
私自身毎日飲んでいるのですが本当にオススメです。
⇒商品ページ
信州そば
そばは雑穀で、精製された小麦粉などに比べて血糖値を上げにくく、抗酸化力も高い。
野沢菜漬けやそば以外にも、土地特有の伝統食がいまも根づいていると鎌田さんが続ける。
寒天や高野豆腐
「寒天や高野豆腐など、昔から食べられてきた伝統食を大事にする風習が根づいています。寒天は血糖値を下げてくれるほか、食前に食べることで低カロリーながら満足感が得られて食べすぎを防ぐことができる。
高野豆腐は不足しがちなたんぱく質が補えるだけでなく、レジスタントたんぱくという、中性脂肪の合成を抑えたり血中のコレステロールを減らす作用があるとされる、特殊なたんぱく質も摂れるのです」
魚代わりにおやきを食べる
名産品にめぐまれる長野の唯一の弱点は海がないことで、魚が豊富に捕りづらいところ。特に近年、魚に含まれる「オメガ3系脂肪酸」を多く含む良質の油は血流から免疫力まで健康に多大に寄与していることが明らかになっている。
「海なし県」の長野はどう対応しているのか。
「昔から川魚を食べる風習があります。鯉を煮込んだ鯉こくやうま煮のほか、ふなやあゆなどもよく食べる。諏訪湖の魚を佃煮にして食べたり、海なし県なりに工夫してきました」
そうは言っても、日常的に魚介類を口にできる海辺の人たちの摂取量にはかなわない。白澤さんは長野の伝統食「おやき」がその役割を果たしているのでは、と指摘する。
魚から摂れない栄養素はおやきで補い、野沢菜漬けと緑茶の合わせワザで抗酸化力を高める
「オメガ3系脂肪酸の血中濃度を調べたことがあるのですが、海が遠いにもかかわらず、なぜか長野の人の値は高かった。つまり、植物から摂っている可能性が高い。
信州郷土料理のおやきには『くるみみそ』を使うものがあり、そこにはオメガ3系と同じ油分が含まれます。エビデンスはまだありませんが、血中濃度から考えると、おやきの効能のおかげではないかと考えています。おやきは、多くの野菜も摂れて理想的な食品です」(白澤さん)
102才になっても畑仕事をする
「保健師さんや保健補導員さんという住民ボランティアの地道な努力によって1日の食塩量を減らすことに成功。脳出血は激減していきました。
それと同時に行政が浸透をはかった『歩け歩け運動』など体を動かす習慣がもたらした部分も小さくなかったと言えます」(鎌田さん)
特に歩行については研究が進んでいる。信州大学が提唱する“インターバル歩行”という運動法は普通に歩くよりも効果が高いとされ、3分ごとに歩くスピードを「ゆっくり」「早歩き」と変化させる。
このほか、筋肉を使ったときに出る物質「マイオカイン」が認知症予防やがんのリスクを低減するという最新の研究結果を示し説き、スクワットを根づかせたりもした。これらが功を奏し、今日の「健康県・長野」が実現したのだ。
「つまり、医療というよりは食と運動から県民の健康状態が改善していったのです」(鎌田さん)
「長野の地形は傾斜地が多く、歩くだけでも知らず知らずのうちにかなりの運動になっている。そして、主な産業は農業。多くの人が高齢になっても畑に出て農作業をするため、自然と体を使う。
畑に出るということが生活そのものであり、生涯現役的な考えを多くの人が持っています。それができなくなったら人生終わり、という観念を持っている。それが結果的に長寿に結びついているのではないか」
松川村の平林さんも、長野県民の「生涯現役魂」を目の当たりにした1人。
「私の祖母は102才まで生きたのですが、ずっと現役で畑に出たり庭の草取りをしていたことを覚えています。気を使って“無理しなくていいから、家の中に入りなよ”と声をかけようものなら、“仕事を取り上げるのか”といつも怒られました(笑い)」
いくつになっても自分の手でお金を稼げるのも、健康でいようとするモチベーションになる。鎌田さんが言う。
「5年前の話になりますが、外来にやってきたおばあさんが“今日は20万円も稼いだ”とホクホク顔でパセリを持ってきてくれた。どうやらその日はパセリが高値で売れたらしいんですね。
この出来事以来、自分で働いてお金を手にするという行為は、長寿に貢献するんだなと実感するようになりました」
真面目で“ずく”があるから健康
極めつきは、長野の県民性。塩尻市の担当者が言う。
「長野県の県民性は真面目でずく(根気、やる気)があるといわれます。決めたことは継続する、という持ち前の生真面目さが健康づくりにも生かされていると感じます」
「高齢者の就業率が高いこと、また図書館や公民館の数が多いことなども健康に関係しているのかもしれません。図書館や公民館などの施設は、生きがいにもつながります。
脳や感情を刺激して心が前向きになり、脳も若返ります。そして、長野の人はもともと勉強好きなんですよ。『これを勉強してきてください』と言うと、真面目に勉強してくる。一方、東京ではまず考えられなかった(笑い)。まさに県民性です」
毎日ずくを出して野菜を意識して摂る習慣をまねたいものですね。
ここで上記に述べた信州と健康に関する、関連性いくつかまとめてみたいと思います。
1.関連性1 食事、やはり塩分控えめにし、高血圧を改良してきた。
2.関連性2 ” ずく”という言葉通り、運動のみならず、こまめに体を動かす習慣を身につけている。
上記の関連性を他の県でも可能にする方法とは
1.運動 上記の” ずく” で述べてる通り、日常生活の中でこまめに体を動かす習慣を見に付ける事。
2.自然との共存
3.食事 主には地元の農産物をいかし、バランス取れた食生活を。
まとめ
バランス取れた食事、そして散歩を兼ねたウォーキングや簡単なストレッチ、1階分だけ階段を使って歩くなど日常生活でできる範囲で無理せず体を動かすことを行いましょう。
また、認知症予防のために、脳を積極的に使って活性化させたいものです。知らなかったことを学び直す、読書をするなどの知的活動や、絵を描いたり短歌や俳句を作ったりするなどの創作活動は脳にとっても、精神面にとっても大きなプラスの影響を与えます。
PPK(ピンピンコロリ)を保つためにも長野県のこの生活スタイルを実践していこうではありませんか!
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