膵炎 の辛さについてお話したいと思います。
こんにちは、いかがお過ごしですか?今日は上図で、一目瞭然でしょうが、
上戸,左党、いわゆる 酒飲みにとって、ハンマーで殴られるほどの耳の痛い話なんです。 実は私も書きながら、辛いのですが、互いの膵臓、肝臓を労わることで、我慢して眺めていただけたらと思います。
King of Pain(世界で痛みの王様)とは?
諸説あり過ぎて、今や「三大激痛」と言われても、以前は「尿路結石、胆石、膵炎」などと言われてもいた時もあったのですが、現在は、それに加えて、「痛風、歯の神経にフッ酸、群発頭痛」、そして「くも膜下出血、心筋梗塞、陣痛」などとも言われております。
どれをとっても、死ぬほどの痛み・苦しみには変わりないのですが、まとめてみますと、”尿路結石”が ”King of Pain(世界で痛みの王様)と思われます。
この「身体の痛み」の他にも、からだの痛みに伴った「心の痛み」、そして「経済的な痛み」も決して侮れないのではないでしょうか。
しかし、”膵炎”の痛みも半端ではないです。
アルコールが引き起こす「 膵炎 」は、痛いだけでは済まない
肝臓と並んで「沈黙の臓器」と呼ばれる膵臓。日ごろわれわれが膵臓について意識する機会は少ないのですが、病気になると強烈な存在感を見せ始める、恐ろしい臓器なんです。
膵臓がドロドロに溶けて激痛を伴ったり、症状が少ないのにカチカチに硬くなったりと、何とも不気味なその仕組みについてお話したいと思います。
みぞおちが痛くなったとき、われわれは胃の病気を疑って、「ストレスかもしれない」「食べ過ぎ・飲みすぎだろう」「何か悪いものを食べたかな」などと考えるのが一般的ですね。その痛みが本当に胃の異変なのだろうか?と疑問を抱く人はほとんどいないでしょう。
よほどの激痛ならすぐに受診するとしても、少々の痛みなら胃薬などでやり過ごしてしまう。しかし、その間に水面下で進行する病気がある――それが、膵臓の病気なんです。
膵臓の病気とその診断・治療を知り尽くす消化器内科医、東京医科大学消化器内科学分野主任教授の糸井隆夫さんは、「胃をすべて切除しても生きていくことはできますが、膵臓の場合はそうはいきません。
膵臓は生命を維持する上でなくてはならない臓器なのです」と語られています。
膵臓は胃の陰に隠れて目立たない存在。「膵臓に良い生活をしよう!」と思う機会はほとんどなく、それどころか、逆に酷使し続けているのが現状ではないでしょうか。
膵臓は10~15cmの小さな臓器でありながら、消化酵素やホルモンを分泌する大切な存在なんです。しかし、近年の日本では、食生活が欧米化し、膵臓に負担を強いる生活を送る人が増えているため、膵臓の病気は増加傾向にあります」と糸井教授はのべられています。
膵臓がくたびれて炎症を起こす膵炎には、膵臓がドロドロに溶けて激痛が出る「急性膵炎」と、膵臓がカチカチに硬くなって機能しなくなる「慢性膵炎」の2つがあり、急性膵炎は年間6万3000人が発症、慢性膵炎は年間6万7000人が医療機関を受診しており、その数はいずれも年々増加しているのが現状のようです。
膵炎になりやすい人の特徴は下図の通り。中でも一番注意すべきはアルコールの大量摂取だ。急性膵炎で最も多い原因が飲酒であり、慢性膵炎でも約7割が長年の飲酒から起こるとされています。
では、アルコールは、どのようにして膵臓をむしばむのでしょうか。
膵炎になりやすいのはこんな人!
(急性膵炎診療ガイドライン2015改訂出版委員会編「急性膵炎診療ガイドライン2015」を参考に作成)
「アルコールを過剰に摂取すると、それに対処しようとして、たくさんの膵液が分泌されます。つまり、アルコールは、膵臓を酷使する最大の原因なのです。大量のアルコールに加えて、脂っこいものも食べていれば、それを必死に消化しようとして膵臓の負担がさらに増し、炎症を起こすようになります」
慢性膵炎は長年かけて進行する。そのため、治療を受ける人は年間6万7000人だが、新たに診断される人は年間1万8000人とされている。(出典:厚生労働省「難治性膵疾患に関する調査研究 平成23年度~25年度総合研究報告書」2014年
急性膵炎の痛みは、尿路結石や心筋梗塞と並ぶ3大激痛の1つに数えられ、
みぞおちの激痛で七転八倒するのが最大の特徴。急性膵炎を経験した人の多くは、 「以前は好きだったお酒を、見るのも嫌になった」 と話すというほど、
猛烈な痛みを伴います。
急性膵炎で一番多い症状は猛烈な痛み
★ みぞおちの激痛
★ 背部痛(特に左側)
・ 吐き気、嘔吐
・ 発熱
・ 腹部膨満感
急性膵炎でそれほどの痛みが生じるのはなぜなのだろうか。糸井教授によると、その理由には、膵臓が作り出す「膵液」が関係しているといいます。
膵臓の中には膵管というパイプがあり、そこを膵液が流れています。その流れが停滞して膵管が詰まり、膵液が逆流すると、膵液中のアミラーゼ、リパーゼ、トリプシンなどの消化酵素も逆流することになります。
膵液の消化作用は非常に強力なので、ひとたび逆流すると膵臓自身が溶けてしまい、ひどい炎症に至ります。
その強い痛みから、急性膵炎は『お腹のやけど』の異名があるくらいです。
急性膵炎の痛みを鎮めるには、膵液が分泌されないよう、絶飲食により膵臓の安静を保つことが第一だ。
炎症が進むと、浸出液がたまって胸水・腹水になり、血液中の水分が大量に失われて脱水を起こすため、相当な量の点滴も必須となる。
通常は、軽度であっても1週間程度は入院が必要だ。
万一、急性膵炎が重症になると、事態はどんどんエスカレートしていく。膵臓やその周辺組織が破壊されたり(壊死性膵炎)、さらに、膵液が漏れて周囲の脂肪組織がドロドロに溶け、その液体や膿が詰まってカプセル状になったりすることもある(被包化膵壊死)。
「急性」というからには、ただの一過性の病気なのかと思いきや、「重症化すれば10人に1人は亡くなります」と糸井さんは語る。
そこまで悪化したら、たまった膿を取り除く処置が行われるが、近年は開腹することなく、口から入れる内視鏡、あるいはお腹の表面からアプローチする腹腔鏡による治療が普及している。患者の負担が少なくなってきたのが、せめてもの救いだろう。
お酒が原因で急性膵炎になった人の場合、いったん治った後は、お酒をやめる「断酒」が必要となる。断酒しなければ、急性膵炎を繰り返すばかりか、炎症が長期にわたる慢性膵炎に移行する恐れがあるからだ。
糸井さんは、「胆石が膵管を詰まらせて膵液が逆流した急性膵炎なら、胆石を取り除けばいいのですが、アルコールが原因なら、断酒しないと慢性膵炎になるリスクがついて回ります。
慢性膵炎は、急性膵炎とはまた違った怖さがあるので、慢性化は避けなければなりません」と話す。
慢性膵炎の怖さとは、長期の炎症が確実に膵臓をむしばんでいき、膵臓の重要な機能を失わせ、膵がんのリスクも高めること。しかも、慢性膵炎では、悪化するにつれて痛みが消えるという不気味な現象が起こるのだという。
慢性膵炎の約7割は、大量の飲酒が原因で起こる。急性膵炎と同様に、慢性膵炎にとっても、お酒は最大の敵なんです。
しかし、同じ膵炎でも、急性と慢性では、発症してからの経過も症状の出方も異なるとのこと。急性膵炎なら、重症の場合は別として、膵臓を働かせず安静を保つ、あるいは胆石が原因ならそれを摘出する手術を受ければ回復が見込める。
だが、慢性膵炎では、安静を保ったところで自然回復はほとんど望めない。炎症が長く続くと、肝臓でいう肝硬変のように膵臓がカチカチに硬くなって線維化し、元に戻らなくなるのだそうです。
また、急性膵炎は激痛が特徴だが、慢性膵炎の痛みはシクシクする重い痛みであることが多い。「軽い痛みだから大丈夫だろう」と軽視してお酒を飲み続けてしまうと、膵臓の線維化はどんどん進んでいく。
しかも、痛みが強まるのではなく、徐々に薄れていくのが慢性膵炎の特徴なんです。
「初期の慢性膵炎は、画像では異常が分かりにくいのですが、膵臓の線維化が進むと画像でも異常が見えるようになります。膵臓が萎縮したり、膵液がよどんで膵石ができ、膵管が詰まって太くなったり、あるいは逆に膵管が狭くなったりする様子が映るのです。
画像で異常が見えるほど進行すると、逆に痛みが出なくなってしまうのが慢性肝炎の怖さです」と糸井教授。
慢性膵炎が進むと痛みが消えてしまう――。「なぜ、進行するのに痛みが消えてしまうのだろう?
痛みが増すはずでは?」と不思議に思う人もいるだろう。それは、慢性膵炎で痛みが薄れるのは、痛みのもとになる「膵液」が出にくくな<るからだという。
「水道の蛇口を思い切りひねると、勢いよく水が流れて水圧が増しますよね。これと同じように、お酒をたくさん飲んで膵液が増えると、膵管内の圧が増して痛みが出ます。
でも、慢性膵炎が進むと、膵液を出す細胞が硬く萎縮してどんどん消え、膵液が作れなくなります。すると、蛇口をひねっても水が出ない、水圧がかからない状態となるので痛みは消えるというわけです。
しかし、『痛みが消えて調子が良くなった』と思っているうちに、膵臓の線維化は確実に進みます」
慢性膵炎は5~10年かけてじっくり進行する
では、慢性膵炎を放置すると、行き着く先に何が待っているのだろうか。糸井教授は、「慢性膵炎を長く患うと、がんの王様、膵がんのリスクが10倍以上高まります」と警告されています。
肝硬変になると肝臓がんに移行しやすい、と聞いたことのある人は多いだろう。では、膵臓の炎症が長く続く慢性膵炎と膵がんにも、同じような因果関係があるのだろうか。
ある報告によれば、慢性膵炎のある人は、健康な人の11.8倍も膵がんになるリスクが高くなるという(*2)。痛みが消えて調子が良くなったと感じているうちに、水面下で膵がんが進行しているかもしれないのだ。
しかも、線維化して硬くなった膵臓は、まず元に戻ることはない。そのため、慢性膵炎の治療に際しては、いかに進行を止めるかが大切になってくる。
だが、慢性膵炎では、「今すぐ病院に行かなければ」と思うほどの痛みが出ないことも多い。これを早く発見する手立てはあるのだろうか。
「肝硬変もそうですが、物事が進むには、必ずその間の段階があります。いきなり進んだ慢性膵炎になることはなく、胃がシクシクしていたのが実は慢性膵炎だったのか、と後になって分かることもあります。
でも、膵臓は胃の裏側にあるので、みぞおちが痛ければ、胃の病気が疑われるのが一般的です。病院で胃に異常がないといわれても、それでよしとせず、膵臓の病気を疑って詳しく調べてもらう、あるいは膵臓を専門とする医師にかかるなどして自分の身を守ってほしいと思います」(糸井教授)
膵臓の状態を調べる検査はさまざまあるが、初期の慢性膵炎では画像上に異変が表れにくい。そのため、腹部エコー検査やCT、MRIなどの検査を受けても異常なしとされることもある。
そこで有効なのが血液検査だ。血液中に含まれる膵酵素(アミラーゼ、リパーゼなど)の数値が上昇していれば、お腹の痛みが少なく、画像上の異変がなくても、慢性膵炎を疑う手がかりとなる。
最終的には、超音波装置のついた内視鏡を口から入れ、胃・十二指腸の壁越しに超音波を当てる検査(超音波内視鏡検査)を行い、慢性膵炎の可能性が高ければ薬物療法を始めるのが通常の流れとのこと。
「特に大量飲酒や脂肪分の過剰摂取など、膵炎を起こすリスクに思い当たる節のある人は、『自分は膵臓が悪いかもしれない』と疑う目を持ってください。また、膵炎のリスク因子を減らして膵臓をいたわることも大切です」)
慢性膵炎を治療する際、第1の鉄則は断酒だ。膵臓の負担を軽くするために、脂っこいものを避けるなど食事にも注意が必要となる。
腹痛がある早期のうちは、鎮痛薬や、「タンパク分解酵素阻害薬」というタンパク質を分解する酵素の作用を抑える薬で炎症を鎮め、痛みが薄れる後期には「膵消化酵素剤」などの下痢を抑える薬を使って治療を進めていく。
慢性膵炎と診断されて2年以上たつ人は、健康な人と比べて膵がんになる割合が11.8倍も高いと報告されている。(出典:Ueda J, et al. Surgery. 2013 Mar; 153(3): 357-364.)
膵臓をいたわる原則は、お酒や脂っこい食べ物を減らすこと
急性か慢性かを問わず、膵炎の原因は、大量飲酒と脂っこい食事の2つだ。逆に考えれば、膵臓をいたわる一番の近道は、この2つを控えることだといえます。
「膵臓の病気がある人は、まずお酒を控えるのが大原則です。大量飲酒が原因で急性膵炎になった人が、治った後も同じ生活を送れば、慢性膵炎に移行する可能性があります。
また、病気が進むにつれて痛みが薄れる慢性膵炎では、『痛くないからお酒を飲んでもいいだろう』と思うかもしれませんが、飲酒をゼロにする『断酒』が基本です。食事に関しても、大量に脂っこいものを食べると膵液がたくさん出るので控えなければなりません。
暴飲暴食を避け、腹八分目で抑えることです」
お酒をセーブする、あるいは断酒する、そして脂っこい食事を避ける。この2つの原則を守るとして、運動についてはどうだろうか。糸井教授は、「運動習慣も加わると、なお効果が高まります」と勧める。
「運動不足で筋肉が減ると、膵臓がせっかく血糖値を下げるインスリンを分泌しても、その効き目が下がります。そうすると、血糖値のコントロールがうまくいかず、膵臓が疲れて糖尿病になる可能性が高まります。
膵臓をいたわるためには、ぜひ運動も心がけてください。脂肪を燃焼させる有酸素運動はもちろん、筋トレで筋肉をつけるのも効果的です」
まとめとしまして
膵臓の病気には厄介なものが多いですね。すでに長々とお伝えしたように、急性膵炎では激痛に襲われ、慢性膵炎では膵臓の細胞が壊れて線維化し、機能が低下してしまう。どちらもかかりたくない病気だが、さらにその上を行くのが膵がんなんです。
近年の診断・治療技術の目覚ましい進歩により、がん全体の5年生存率(診断から5年後に生存している患者の割合)は65%まで上がってきたのにもかかわらず、
膵がんの5年生存率だけは依然として低く、わずか10%にすぎません。
このようなことからも「がんの王様」とも、また
「21世紀に取り残されたがん」とも呼ばれています。
やはり、この恐ろしい病のリスクを少しでも減らすためにも
そして また”筋トレで筋肉をつけるのも効果的”とも言われています。そのような皆様に
併せて、もう一つの最大の痛みを味わらせてくれる『痛風 これ以上の痛みを味わないためには?』も 一読どうぞ。
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