老眼 は50代以上の2人に1人が悩むといわれている、いわば”国民病”と言われています。
その克服のカギは、「目の筋力」「食生活」「脳」にあった!という事で、前回の「1日5分眺めるだけで 老眼回復」の第2弾として、とある眼科医・二本松眼科病院の平松類先生の伝授をもとに、ここ作成しました。
今すぐ始められる老眼対策の決定版とも言えます、このようなやり方を身につけ、老眼鏡のない煩わしさから開放された生活で余生を送ろうではありませんか!
専門医がすすめる「 老眼 矯正アイ・ストレッチ」3つの方法
「年を取るとほとんどの人が悩まされる老眼ですが、近年はスマホやパソコンの普及によって目を酷使する時間が増え、若くして発症する人が増えています。30代の患者さんも少なくありません。加えて、老眼だと気がつかずに、そのまま放置したり、合わない老眼鏡をかけて悪化させたりする人も多い。正しい対策法を知ることが求められています」との事。
また「加齢によって水晶体の弾力が低下し、毛様体筋の筋力が衰えたり固まったりすると、ピント調整が難しくなり、モノを見る力が弱くなってしまいます。残念ながら、水晶体の弾力を復活させることは難しいですが、目のストレッチで毛様体筋をほぐし、鍛えることでピント調整の能力を回復させることは充分に可能ですとの事。お金や時間をかけず、簡単に行えるストレッチ方法をご紹介していただきました」
【1】人さし指ストレッチ
人さし指を使って毛様体筋を鍛えるストレッチだ。人さし指を顔から30cmの距離に立て、そこに視点を合わせて5~10秒間見つめる。その間、まばたきはしてもよい。次に目をそらし、今度は2m先を5~10秒間見つめる。この動作を10回繰り返して1セットです。
「本を読んだりテレビを見たり、料理をするために包丁を使う手元を見たり、集中しているとき、無意識のうちに目は1点をじっと眺めています。すると毛様体筋が凝り固まり、老眼を進行させる原因になります。これはいつも腰を曲げて生活している人が、腰痛を患うのと同じメカニズムです。
だから、体のストレッチと同じようにあえて近くと遠くを交互に見て、目の運動を行うことで改善できるというわけです。2m先を見るときは、ポスターやカレンダーなど目標物を定めるとよりピントが合わせやすくなります」
どこでもできる手軽なストレッチだ。1日に何セット行ってもいいという。できるだけ毎日継続的に行うことで効果が得られる。
【2】寄り目ストレッチ 目を動かして毛様体筋をほぐす方法は他にもある. 目を横に動かす『寄り目ストレッチ』も効果的です。『人さし指ストレッチ』と同じように、人さし指を顔から3 cmの距離に置き、そこからゆっくり指を目に近づけていきます。指に目のピントを合わせ、『寄り目』の状態にする。ピントが合わなくなった時点で、視線を指から外してください」 10回を1セットとして1日2セット行うのが目安 日常生活では動かさない部分を動かすことで血流をよくして、毛様体筋を鍛える方法です。また、老眼になると瞳が目の外側に寄りやすい。『寄り目ストレッチ』は瞳を正しい位置に戻す効果もあるのです 【3】100円メガネストレッチ
眼科での検査や治療の際、目の緊張を解くために使われる『雲霧法』という手法を応用したのが「100円メガネストレッチ」。自分の視力に合った度数より高いメガネをかけて、わざとピントが合わない状態を作りだし、毛様体筋を休ませて凝りをほぐす方法です。平松先生が解説する。
「100円ショップなどで自分の視力から2度上の老眼鏡を探し、用意してください。メガネやコンタクトレンズを使っている人は、矯正された度数に準じます。このメガネをかけて、壁や窓の外、ポスターやテレビなど対象物を決め、1~3m離れたところから眺めます。視界がぼやけ、焦点の合っていない状態が筋肉の凝りをほぐしてくれるのです」
メガネをかけるのは1日1~2回、1回につき5分が目安です。
「寝る前など、時間を決めて習慣化することをおすすめします。ストレッチの最中にくらくらしたり、気分が悪くなったらすぐにメガネを外してください」
それらのストレッチを1か月続けたところ、視力が0.5も回復した人がいたという。今日から実践あるのみです。
「遠近両用コンタクト」「人工水晶体」…老眼治療最前線
“老眼は治らない”が定説であり、長らく対策は老眼鏡の一択しかなかった。しかし医療技術の進歩により、手術で治療することが可能になった。実際に最先端の技術を使って執刀している、みなとみらいアイクリニックの荒井宏幸先生が解説する。
「代表的な手術は、弾力が低下した水晶体を取り除き、代わりに遠近両用の『多焦点眼内レンズ』という人工水晶体を挿入する方法です。目薬による部分麻酔を使用し、20分ほどで終わります。痛みは一切ないうえ、手術中、患者さんの視界はぼやけているため、メスなどの治療器具が見えることもない。レンズは劣化しない材質でできているので、効果は半永久的です」
30分もかからずに老眼を治せるとあって、荒井先生のもとには40代から70代まで幅広い年齢層の患者が訪れるという。
「特に趣味でスポーツや旅行をされるようなアクティブなかたは、老眼鏡は邪魔だからと手術を望まれることが多いです。また、最近の特徴として、白内障の手術と同時に受けるかたも増えています」(荒井先生)
多焦点眼内レンズ挿入手術の様子(写真提供/みなとみらいアイクリニック)
費用は片目で40万~80万円が相場。白内障手術と同時に行った場合も基本的には自己負担になるが、先進医療特約がついた生命保険に入っていれば、一部保険料が支払われるケースもある。 人工水晶体と並んで話題になっているのが、『モノビジョンレーシック』と呼ばれる手術だ。
「近眼矯正のレーシック手術と同じように、角膜の表面を削って視力を調整する方法です。従来との相違点は片方の目は遠くを、もう片方の目は近くが見やすいように矯正し、両目で遠近両方を見えるようにするというところ。初めのうちは左右の視力が異なるため、違和感を覚えることがありますが、脳が左右の視覚的な情報を使い分けることに慣れるため、ほとんどメガネなしの生活ができるようになります」(荒井先生) とはいえ手術は費用が高く、リスクも伴う。
負担が少なくすぐに老眼が回復する方法としてコンタクトレンズも人気を集めている。平松先生が解説する。
「『遠近両用コンタクトレンズ』と『モノビジョンコンタクトレンズ』の2種類があり、前者は遠近両用メガネと同じように、1つのレンズで遠くも近くも見えるように調整されています。メガネよりも視界がゆがみにくく、フレームがないため視野が広く取れることが人気の理由です」
「モノビジョンコンタクトレンズ」は、右目と左目で異なる度数のレンズをつけるという方法で、「モノビジョンレーシック手術」のコンタクト版だ。
「度数が異なる通常のコンタクトレンズを使って、片目は遠く、片目は近くが見えるように調整します。遠近両用コンタクトレンズよりも価格が安いため、初めて老眼回復にコンタクトレンズを使うかたはこちらが適しているかもしれません」(平松先生)
これらの最新治療に加え、アメリカでは老眼を治す目薬の研究開発がすすんでいるという。
「水晶体の柔軟性を高め、弾力を取り戻す成分を配合した薬と、毛様体筋の筋力を強化する薬の2タイプの開発が進行中です。まだ実用化には至っていませんが、近い将来、アメリカで実用化されれば、いずれ日本でも使用できるようになる日は近いでしょう」(平松先生)
老眼は「予防」できる! 今日からできる「5つの生活習慣」
2017年、参天製薬が20~40代を対象に行った調査によると、「目の疲れが、日常生活に影響をおよぼすことがある」と回答した”老眼予備軍”は7割を超えた。回復や治療の方法とともに、知っておきたいのが予防法だ。日常生活で気をつけるべき5つのポイント。
【1】目を温める
「目を温めることで血流がよくなり、硬化すると老眼の原因になる毛様体筋をほぐすことができます」(平松先生)
方法はいたって簡単。軽く水に濡らしたタオルを、電子レンジで40秒間加熱する。やけどに気をつけながら取り出し、目を閉じてまぶたの上に置くだけ。
「1日1回、酷使して疲れ切った夜に温めるのが効果的です。タオルから熱が失われたら、もう1枚温めて交換しながら、合計5分間、目の周りを温めてください」(平松先生)
【2】寝る前はスマホを見ない
使い方によって、スマホは老眼を進行させる大きな原因となりうる。平松先生が解説する。
「ただでさえ、目から20~30cmの距離にあるスマホをずっと見ていると毛様体筋が凝り固まりやすくなる。加えて、光るスマホの画面を夜に見ると、自律神経が大きく乱れてしまうのです」
私たちの自律神経は、日中は交感神経が優位に働く「緊張モード」で、夜になると副交感神経が優位に働く「リラックスモード」に切り替わる。
「体が『リラックスモード』になっている夜にスマホの画面を見ると、その明るさで交感神経が刺激され『緊張モード』に切り替わろうとして、自律神経がめちゃくちゃになる。自律神経は、毛様体筋に指示を出し、ピント調整を行う役割を持つ、目にとって大事な器官です。その動きを乱すことは、老眼のもとになります」(平松先生)
【3】呼吸を工夫する
自律神経を整えることは老眼予防につながる。調整に最も効果的で簡単なのは呼吸法を改善すること。
「2011年に発表された福岡県立大学の田中美智子教授の研究によると、腹式呼吸は自律神経を整える効果があることがわかっています。朝晩それぞれ10回、鼻から息を吸ってお腹を膨らませ、口からゆっくり息を吐く、意識して腹式呼吸をする時間を設けるとよいでしょう」(平松先生)
慣れてきたら、腹式呼吸をしながら30秒こすり合わせて温まった手のひらで目を覆ってみよう。これは欧米で老眼回復になると広く知られている「バーミング」と呼ばれる民間療法を応用したもの。自律神経はもちろん、目の血流と代謝の改善にもなるという。
【4】紫外線を浴びない
老眼は水晶体が弾力を失い、硬化することで発症するが、その原因の1つは紫外線だ。
「紫外線のエネルギーで発生した活性酸素を浴びると、水晶体が酸化し、弾力を失います。そのため外出時は紫外線を避けるのが有効です。UVカットのサングラスやメガネ、コンタクトレンズを使用することをすすめます」(荒井先生)
【5】食生活に気を配る
紫外線対策に加え荒井先生が重要視するのは食生活だ。
「水晶体の酸化を防ぎ、老眼を遅らせるには、抗酸化作用のあるビタミンCやE、アスタキサンチンが含まれる食材を積極的に摂ることを推奨します。例えば、ブロッコリーはビタミンCやEが豊富で、ナッツ類はビタミンEが多く含まれています。食材から日常的に摂取するのが難しい場合は、サプリメントで摂ってもかまいません」
アスタキサンチンは鮭やえびから摂取できる。ほかにも効果的な食材は多い。
「2011年にブラジルで行われた研究で、魚に含まれるDHAが血液中に多かった人はそうでない人に比べて、老眼になる危険性が63%低かったと報告されました。摂取の目安は1日1g程度。まぐろで100gあたり3.2g、さばで2.6gです。 ほうれん草に含まれるルテインにも、紫外線の活性酸素を除去する効果があります」(平松先生)
如何でしたでしょうか? 手術を除いては決して難しい、また経済的にも何も負担のないやり方ではないでしょうか? 余生は老眼鏡に振り回されない,ノビノビとした生活を共にエンジョイしようではありませんか!
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