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脳をさらに成長させよう
60代以上からも

古林 茂樹
Written by 古林 茂樹

世界一の認知症大国・・日本

「 脳の成長 」皆さん、こんにちは、今日は”脳の成長”がテーマですが、身長と同じようなもので、男女共 20歳くらいで成長は止まるものと思い込んでいました。

しかし、ある本と出合い、読ませていただき、その思い込みの間違いに気づかさせてもらい、これは大変 有意義なこと思いましたので、ここ要点のみですが、書かせていただきました。

脳の成長

世界保健機関(WHO)が発表した報告書によれば、世界の認知症有病数は現在、およそ3,560万人に上ります。そして、2030年までに2倍の6,570万人、2050年までに3倍の1億1,540万に増えると予測されています。

厚生労働省の2015年1月の発表によると、日本の認知症患者数は2012年時点で約462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人だったのが、
団塊の世代が75歳以上となる2025年には730万人へ増加し、65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推計されており、今後高齢化がさらに進んでいくにつれ、認知症の患者数がさらに膨らんでいくことは確実です。

言い換えれば、要介護期間も日本が圧倒的に世界一になってしまうということですね。

また、世界アルツハイマーレポートによると、認知症が少ない国として上記のグラフからもお分かりのとおり、スイス(フランスと同程度とのこと)、インド、そして西アフリカあたりですが、これには食生活が関連しているとみられ、フランスでは赤ワインがよく飲まれるためポリフェノールが認知症を抑制し、またインドの主食となるカレーには抗酸化物質のターメリックが多く含まれているのが影響していると考えられています。

そして逆にその認知症罹患率の高い原因の一つとして降圧剤の服用が理由にあげられています。 血圧を薬で下げた場合、副作用として鬱や認知症のリスクが上がり、脳梗塞になる割合も約50%(降圧剤の種類にもよります)増えているというデータもでています。 ですから何も根拠も無く学会が血圧の基準値を140/90と発表し、 それが医療ガイドラインとなっており、医師もそれを見て薬を処方する訳ですが。

脳の成長 は60過ぎても!

それで、こんな認知症増加のなか、こんなタイトル本を読み、少しでも将来不安を無くすることができたらと ここ(Question) そして (Answer)方式で紹介させていただきます。

胎児から100歳の高齢者まで延べ数万人に及ぶMRI脳画像を分析し、脳の成長原理を見い出した医師・加藤俊徳先生(株式会社「脳の学校」代表)に、日々の習慣によってどれだけ脳を活性化できるかです。

悪い習慣をやめて、認知症リスクを減らす

Q) 確かにどんなに体に良いプラスのことがあっても、同じくらいのマイナスがあれば相殺されてしまうもの。では、どのような習慣を避けた方がよいのでしょうか?

A)「脳にとって悪い習慣は、運動不足、肥満、喫煙のほか、糖尿病、うつ病などです。これらはすべて認知症になりやすいファクターでもあるとのこと」

先生にその理由を尋ねるとA)「肥満になると前頭前野の働きが低下すると言われ、考える能力や集中力が落ちます。また、うつ病になると睡眠障害を起こし、睡眠のリズムが悪いと頭の働きが悪くなります。肥満、糖尿病、喫煙、短時間睡眠は老化物質とよばれるアミロイドβとタウタンパク質というたんぱく質を蓄積させていきます」と。

そして加藤先生はさらに次のように続けて、「認知症の多くは、アミロイドβとタウタンパク質が20年かけて脳にたまっていき、脳神経細胞が死滅することで発症します。ですが、アミロイドβとタウタンパク質が蓄積されて始めても、まだ無症状なので、生活の中では気づけないのです」

先生によると、日々の生活習慣との関係が深いとのことで、「70代で認知症を発症しないよう、40~50代で悪い習慣はやめておいた方がよい。タバコを吸っていたらやめる、お酒を飲み過ぎていたら控えるなど悪い習慣をなくすことが重要ですね」とクギを刺しています。

また生活習慣の改善は脳の老化のためだけではありません。パソコンやスマホを見続ける現代では、疲れを感じる、やる気が起きない……といった漫然とした不調を覚える「脳の疲労」も大きな問題です。脳の疲れをしっかりとるための質の良い睡眠方法や、疲れを予防するような食習慣を知り、それらを意識した生活に変えるべきでしょうとのこと。

40~50代に悪い習慣を断ち切る勇気。これが、長く健康に暮らすために必要なようです。

脳にちょっと考えさせる

Q) では、良い習慣とは、どのようなことを身につけることでしょうか?

A)「できるだけマンネリ化させないこと。右利きの人は左手を使うようにするとよいですよ。なぜかというと、右利きの人は右手を使うため左脳が鍛えられていますが、あまり使っていない左手を使うと使っていない右脳が鍛えられます。利き手ではない左手を使うだけで潜在的な能力が開発され、ポテンシャルが広がります。左利きの人はそもそも両利きのことが多いのですが、もちろん右手を意識的に使うことで左脳が鍛えられます」

Q) 右利きの人が左手を日常的に使うようにするのは難しそうですが、何をしたらよいのでしょうか?

A)「歯磨きを左手で行うのはいかがですか。または、ドアを開けるとき、靴をはくとき、ガスのスイッチをひねるときも左手で行う、左手で箸を持って食べる、左手で字を書く……そんな小さいことでよいのですと」

Q) 行うのに数秒もかからない小さなことでよいそうです。ですが、なぜそれが脳に良いのでしょうか?

A)「例えば、電気を消すのに、いつもと反対の手を使おうとすると、一瞬、考えますよね。この一瞬考えるというのが、すごく大事です。瞬間に考え直して、判断する……ということで脳がマンネリ化しないのです」

その根拠として次のように続けます。

A)「逆に、無意識に電気を消している場合は、行動が自動化されています。自動化されていることは脳がよく知っていることなので刺激されませんし、新鮮だとも思いません。今までと違うことに脳は新鮮さを味わうのです。それが脳を成長させていきます

たとえば、会社の帰り道に普段と違う道を通ったり、買い物でスーパーに行ったら、出口から歩いてみたりするなども良いそうです。いつもと違う景色が見えたとき、「あれ、これってどうするんだろう?」と脳が考えることが良いのだとか。

「もう一度改めて考えなくてはいけないことがあると、マンネリ化しません。すぐできることは脳が知っていることなので、労力の省エネにはなるのですが……」

脳の遊ばせ過ぎに注意

Q) 一見、省エネである状態がよさそうな気がしますが、脳にとっては良くないのでしょうか?

A)「たとえば、算数の問題が解けないとき、ずっと考えますよね。考えているときは、脳の同じ場所で考えているわけではなく、脳の中の別の場所を探しているんです。1+1=2というのは脳が考えなくても答えが出ます。

ところが、35-7=……と言われると、ちょっと考えます。早く答えが出るものは、使う脳の場所が決まっており、決まった場所を刺激するだけなので使う脳の場所が限定的になります」

「脳を使う部分が限定的なので疲れないかもしれないけれど、脳の刺激としては足りないのです。他の脳の部分を探して使う行為が、マンネリ化を防ぎます。たとえば、両足を使って新聞を四つ折りにたたんでみてと言われると、どうやってするの? と思いますよね。それがいいのです」

「どうやってするんだろう?」「どうすればいいんだろう?」と考え始めることが脳の成長として大事なんだそうです。

Q) その効果ですが、どのくらいで変化が分かるのでしょうか。

A)「1ヵ月で効果は出ますが、3~6ヵ月あるとさらによく分かります。行動スピードが早くなったり、思っていることを人に説明できるようになったり、言われる前に行動できたりして、認知症の予防にもなります」

加藤先生はさらに「こうした脳への刺激は老化が始まる世代にも効果があり、60代からでも脳は成長することができます」と仰っています。

実は脳を遊ばせないような習慣をつけることが、充実した40〜60代につながるようです。

生涯続けられる「趣味」が大事

左手を使う習慣のほか、楽しい趣味などで脳を刺激するものはあるのか、加藤先生に聞いてみました。

A)「人間の脳にとって持続も大事ですので、生涯続けられる趣味があるといいですね」と趣味が良いとしながらも、次の点を指摘します。

「定年して悠々自適な生活を送ることに憧れますが、実は、これが問題です。悠々自適な生活そのものは悪さをしていないのですが、それだけしかしない生活だと、働いていたときに脳を使っていたエネルギーが半分以下に減ってしまうのです」

Q) なぜそのようなことになってしまうのか。

A)「それまでは脳を10割使っていて、悠々自適な生活になって3割くらいしか脳を使わないと、7割は脳が遊びます。遊ぶとは脳が休むということ。7割休ませるのが4~5年続くと、その7割は動かなくなります」

「ですから、続けられる趣味を持っていた方が絶対に良いです。脳が働くベースを作りますので」

Q) それでは、勝負事、駆け引き、ゲームなどは脳にとってどうなのでしょうか。 

加藤先生によると一長一短。A) 「勝負事で脳に報酬を与えるのは適度に必要です。ですが、繰り返される報酬はアディクション(依存性)につながりやすい。どちらかというと、他力を使わない動機を自分に与えていく方法がよいですね。『絵を描いて楽しいよね』『自分自身の発見や成長が面白いよね』といった自己完結できるような動機です」ということなので、趣味選びも重要になります。

散歩だって脳によい

Q) では、他人と争わず、あまり体を動かさない趣味、たとえば盆栽などはどうなのでしょうか。

A)「盆栽は良いですね。手を動かす、目を動かす、自分で鉢を動かす、毎日世話をするなど、脳のいろいろな場所を使う。特に視覚を使うのが良いです。人間は視覚を使わないと衰えていく動物。

加藤先生によると盆栽のような手作業は、見ることと手を動かすことを同時に行うのでとても良いそう

部屋に引きこもって、見る風景が変わらないと考えるしかない。考えても答えがなくて悶々として、自分の中で思考が完結してしまうのです。その内、人の話を聞かなくなって、耳からも新しい情報が入ってこなくなり、どんどんと脳が働かなくなっていきます」

加藤先生によると盆栽のような手作業は、見ることと手を動かすことを同時に行うのでとても良いそう

Q) ということは、外に出て散歩することも脳に良さそうですね。

A)「はい。次々と変わる風景を見ることで、脳は刺激を受けます。また、できるだけ外に出て、朝日を眺め、夕日を眺める。この1日の自然なサイクルを体感しないと駄目なんです。体内時計がずれて、昼夜が逆転している人はどんどん衰えていきます」

自然のリズムに合わせた生活は言うまでもなく大事なわけですね。こうして1つひとつの動作に注意を向けること、他者や環境との関わりを意識することは、最近注目されているマインドフルネスの考え方に、そしてその実践「瞑想術」にも通じるところがあります。

悪い習慣を断ち切り、今までしなかった新しいことを日々行い、生涯続けられる趣味を持つこと。この両側面の習慣が第2の人生をさらに楽しく過ごすカギとなりそうです。

 

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古林 茂樹

古林 茂樹

1946年(昭和21年9月16日)、長野県生まれ、紆余曲折の末、古希を迎えた70歳からbloggerとなり、現在ちょうど4年目(Sept.30,2020)だが、いまだ試行錯誤の毎日、だが、ヤリガイがあり、縄跳び、swimming, & ワインと共に楽しく、happyな毎日です。
I'v lived a life full of ups and downs, and turns and twists, however, I'm happy.