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減塩しているのに 血圧 が下がらないーこの原因が最新理論で
判明しました。「 血圧 が上がるから塩分は控えめに」と長らく信じ込まされてきた常識が覆されようとしています。 高血圧の原因は塩分ではないというのです。今、この国の高血圧治療が大転換を迎えようとしています。
では本当の原因は?
我々の食卓に薄味の料理が並び、味わいのなさに「食べる喜び」を失いつつも、「血圧のためなら」と我慢をしてる方々も多いと思います。これは「血圧は塩分によって上がる」と言う過去の研究のもとに「塩分」が目の敵にされてきたからですね。
だが実際には、味覚を犠牲にして減塩食を続けても、血圧が下がらない人もいる。中には逆に上がる人もいる。塩分が原因だったら、この現象は説明がつかないです。実は塩分が高血圧をもたらす「真犯人」であるかどうかは、医療関係者の間でいまだ議論が続いている重大なテーマなんです。
そこで今、新たな理論が注目を集めています。「脳梗塞・心筋梗塞は予知できる」の著著で、循環器に詳しい真島消化器クリニック院長の真島康雄医師は、「高血圧と塩に直接の関係はありません」と明言しています。
それでは 高血圧の”真犯人”は ?
「高血圧をもたらすのは塩分ではなく、血管に溜まったプラークです。プラークとは脂肪の塊で、日本語では「粥腫」と呼ばれ、その名のとおりお粥のようにドロドロしており、これが溜まって血管の内側が狭くなるから、そこを流れる血液の圧力が高まると言う実にシンプルな理屈です。塩分よりも、脂肪分や糖分を口にしない事で、血管中にプラークを作らない方が重要です」と真島医師は言っています。
そもそも高血圧とは、血圧が持続的に上昇した状態を指し、高血圧自体には自覚症状はないが、放置すると動脈硬化を引き起こし、脳卒中や心臓病など死に至る病に繋がる恐れがあると言われています。
日本高血圧学会が定めた「高血圧治療ガイドライン2014」では、血圧の収縮期(上)が130mmHg以上を正常高値血圧と呼び、”高血圧予備軍”として注意を促し、140mmHg以上を高血圧と分類して治療対象とされています。また一方日本人間ドック学会によると、最新の正常値の新基準は147/94mmHgまでと定義になったとも言われていますが。
また前出のガイドラインでの塩分摂取量は「一日6グラム未満」を推奨すると、
一方厚労省の「日本人の食事摂取基準(2015年)では一日の理想的な食塩摂取量を男性8グラム、女性7グラムと定めています。
こうした状況で、「高血圧の原因は塩分ではなく、脂肪である」と言う理論は、日本の高血圧治療を一変される可能性があるのではないでしょうか。 そしてまた実際、脂肪と高血圧の関係は真島医師だけではなく、世界中で研究が行われています。
太るとリスク3倍 過食でプラークが詰まる
日本人男性4千人を追跡した国立健康・栄養研究所の調査では、4年間で662人が高血圧になったとの結果が出た。その原因を調べたところ、BMIの数値が22(普通体重)以上の患者は、18.5(やせすぎ)未満に比べて高血圧を発症するリスクは2倍隣、27(肥満ぎみ」以上では3倍近くになった。
「過食気味になり体重が増した事で血管中のプラークが増え、血管を圧迫し高血圧を引き起こしたと考えられます」(前出・真島医師) 米国でも、肥満度の高い人は肥満でない人よりおよそ3倍も高血圧になるリスクが高くなったとの研究結果がある。
「太ると血圧が高くなる」ことは、当たり前に思えるかもしれないが、実はそこに大きな意味があるのです。「これまでの定説では塩分が血圧を上げるとされてきましたが、あくまで一時的な効果であり、病気としての「持続的な高血圧」を起こすとは考えにくい」と真島医師は述べています。
60年前の”塩犯人説”
それでは、何故これまで「塩分」が高血圧をもたらす犯人とされてきたのか・・「塩分には、水を引き寄せる”吸湿性”があり、体内に取り込まれた塩分の吸湿性によって血液の全体量が増加すると、心臓が血液を押し出そうとするので確かに血圧が上がる。
但し、体内の塩分量は一定になるよう調節されており、健康な人ならば、摂取した塩分はほぼ同じ量が尿や汗として排出される。そのため、塩分摂取による血圧の上昇は一時的なもので収まる可能性がある。 引用:「減塩が病気を作る」(石原クリニック院長の石原結賞医師)
「塩分容疑者説」が広まったのは、今から約60年前の1954年のアメリカのダール博士が発表したある調査が発端でした。ダール博士が日本の鹿児島と青森を含む世界5地域を調べたところ、一日の塩分摂取量が14グラムの鹿児島の高血圧発症率が20%であるのに対し、28グラムの青森では40%だった。そこでダール博士は、「塩分の取りすぎが高血圧に繋がる」と結論づけた。 わずか5地域の調査では疑問の声も上がったが、当時は塩分と高血圧を結びつける考察は画期的だったため、瞬く間に世界中に広まった。
72年には、同じくアメリカのメーネリー博士発表した、「10匹のラットに毎日20~30グラムの食塩を摂取させたところ4匹が高血圧になった」と言う論文で「容疑者説」は「塩分犯人説」に昇華下。しかしこのラットに投与された量も、人間に換算すれば500グラムに相当し、厚生省の推奨値の約63倍にあたる。つまり非現実的で極端な前提に立つため、塩分が”真犯人”と結論づけるには至らなかった。(前出・石原医師)
そんな中で、高血圧と塩分は関連しないと言う調査結果が続々と発表される。中でも有名なのは、88年にロンドン大学などが英国、日本など32カ国、約一万人を対象に行った大規模疫学調査「インターソルトスタディ」です。この調査では、一日の塩分摂取量が6~14グラムの人たちには、塩分摂取と高血圧に相関関係が見られないと言う結果が出た。
「日本高血圧学界が推奨する『一日6グラム』はおろか、日本人が平均的に摂取する『一日10~12グラム』を上回る塩分でも、高血圧の原因にならない事を示唆する結果でした。厚生省の調査によると、山梨、青森、福島、福井など寒い地方の食塩摂取量が多い一方、高血圧疾患による男性の死亡率は大阪、福岡、佐賀などが高い。食塩摂取量が少ない都道府県でも高血圧で死亡する傾向があることから、塩分と高血圧に因果関係があるとは言いにくい。(前出・石原医師)
塩分と高血圧が関係しないどころか、「減塩で血圧が上がる場合がある」との研究結果も存在する。87年の米国のミラー博士らの研究報告によれば、正常血圧の男女82人を対象にして一日の塩分摂取量を9.2グラムから4グラムまで12週間にわたって減塩したところ、血圧値にほとんど変化のない人が53%、血圧が下がる人が30%、そして17%が逆に血圧が上昇した。
最も衝撃的だったのは、85年に米国のアンダーマン医師が約20万人の生活調査を行い、英国の権威ある医学誌『ランセット』に発表した論文だ。それによれば、塩分摂取量が最も少ないグループは脳卒中や心筋梗塞になりやすく、最も摂取量の多いグループ(8~12グラム)の脳卒中・心筋梗塞の有病率が最も低かった。
降圧剤の副作用は
イタリアでは高齢の軽度認知症患者172人を対象に血圧と認知機能低下の関連が検証され、降圧剤で血圧が低くコントロールされた患者ほど認知機能が低下していた事が分かった。また降圧剤の中でもARBやACE阻害剤、利尿剤などはインポテンツ(ED)を引き起こす可能性が高いとされる。この副作用は日本性機能学会が監修する『ED診療ガイドライン』に明記されている。
06年にギリシャで実施された調査では、降圧剤を服用した高血圧患者の40.4%がEDに罹患したと言う。また、一つの降圧剤よりも複数の降圧剤を併用している患者の方がED罹患率は高かった。
一連の結果から、塩分が高血圧を招かないどころか、塩分の摂取量が少ないと血圧が上がったり、重篤な病気を招く危険性が示されています。前出の石原医師が指摘するには、「そもそも塩は人間の生存にとって必要不可欠な栄養分です。世界の専門家から減塩のリスクが指摘されるのに、日本の医学界では塩分を目の敵にしたような十杷一絡げの”減塩処方”が目立ちます。腎不全など腎臓に持病のある人を除いて、極端な減塩をすべきではありません」
塩分感受性高い人・低い人とは?
塩分の評価が揺れることには、もう一つの理由があります。塩分を摂取しても血圧が「上がる人」と「上がらない人」がいることです。「食塩を摂取すると血圧が上がる体質を『食塩感受性』と言い、食塩感受性が高い人は、腎臓からナトリウムを排出する機能が弱く、塩分を摂取すると血圧が上がります。(前出・石原医師)
95年に東大の藤田敏郎教授が公表した調査では、日本人のうち食塩感受性が高い人は約2割、低い人は約5割とされた。日本人の二人に一人は塩分を摂っても血圧は上がらないと言う結果です。しかしどんな人が食塩感受性が高くなる、または低くなるのかは現段階判明されていません。
それでは何故日本の医学界は『塩分犯人説』に固執するのだろうか?
この背景には「降圧剤利権」の存在を否定できません。「製薬会社や医師会など高血圧によって利権を得る集団は欧米で『高血圧マフィア』と呼ばれ、高血圧の基準値が下げられるような強烈なロビー活動などを続けてきていました。日本でも既得権に固執する勢力が大きな影響力を振るっています。」(大櫛医学情報件所所長・東海大学名誉教授の大櫛陽一氏)
「彼らにとっては、”塩分犯人説”のほうが都合が良い」前出・真島医師はこう見ています。また同時に「体重を減らして血管中のプラークを除けば、確実に血圧が下がる事は私が多くの患者を診てきたなかでも明らかです。しかし、そうして血圧患者が減ると、高血圧市場が縮小するため、塩分を犯人に仕立てている」
現在,『高血圧治療ガイドライン2014』は、「食塩摂取量が多くなると血圧が高くなる」として「国民全体における更なる減塩の推進が必要」と強調する。また高血圧の治療法については、「多くの高血圧患者には薬物治療が必要である」と記述されている。このガイドラインに従い、日本における高血圧の治療対象者は1000万人を突破、70歳以上では5割以上が降圧剤を処方されている。
降圧剤にさまざまな健康リスクが
前出・真島医師の解説では「もちろん、血圧が180を超えるような重篤な状態の場合はただちに降圧剤を服用すべきですが、基本的には降圧剤を長期間服用しても対症療法のため、高血圧が完治することはありません。それでもいったん始めた服用をやめれば血圧が上昇し、合併症として脳梗塞や心不全を起こす可能性が生じます」
「降圧剤で血圧を20mmHg以上、下げると血流が悪くなって血栓を生じ,血管を詰まらせて脳梗塞を引き起こす恐れがあります。他にも薬がもたらす低血圧により、ふらつきや転倒、入浴中の溺死や交通事故などを引き起こすリスクがあります。また細菌の研究では、脳内の活動が阻害され、高齢女性の認知能力低下の発症率が1.3倍になると指摘されています」(前出・大櫛氏)
減塩が命を脅かす可能性も指摘されています。米ラッシュ大学メディカルセンターのダッキー博士の研究では、833人の心臓病患者について調査したところ、減塩食糧法を受けている患者は、受けていない患者に比べて死亡リスクが69%、入院リスクが68%高かった。つまるどころ、降圧剤は万能どころか長期にわたる服用が前提となり、様々なリスクが指摘されています。
一方、真島医師が唱えるように、「脂肪」を高血圧の原因とする考えに立てば、別の治療アプローチが選択肢として浮上してきます。「脂肪の塊であるプラークが血管内を圧迫すれば、確実に高血圧になります。プラークは血管がカーブしたり分岐するところに溜まりやすく、専門の医師によるエコー(超音波検査)で確認できます。高血圧には自覚症状がありませんが、プラークなら、『見える化』できる。プラークの発生を抑えるためには、肉や魚の脂肪や糖分を制限する事が根本治療になります。降圧剤を減量、または中止巣ことも可能です」(前出・真島医師)
詰まりを減らすにはどうする?
真島医師はプラークを解消する方法として、「日々の食生活が決定的に重要」と強調しています。「血管内に流れる微粒子の脂肪滴が少なくなると、血管内を掃除するマクロファージ(白血球の一種)の活動が活性化してプラークが発生しにくくなります。そこで注意すべきは、脂質で、脂肪と油は血管のプラークを積もらせる主犯なのです。これらを減らす事で、すでにあるプラークを減らす「改善効果」と、プラークを防ぐ「予防効果」がともに期待できます」
「何を食べない方がよいのか?」とともに、「何を食べるか?」もキーポイントで、真島医師が勧めるのは『RAP食』、RAP食とは、もともと動脈硬化対策として考案されたメニューで、『煮る』、『蒸す』を中心とした油を使わない料理です。魚介類なら脂質が少ないイカ、タコ、タラなどで、ところてんなど海藻類もいい。納豆や豆乳ヨーグルトなどの発酵食品も推奨しています。もちろん、副作用として減量にも効果のある手段となります。
ある70代男性から「食生活に気をつける戸友に毎日欠かさず運動ををして休息をとる事を心がけていたら体重が5kg減り、160mmHgだった血圧が145mmHgまで下がりました。医師からは、「一度、降圧剤の服用を止めて様子を見ましょう」と言われました。服用中止から半年経ちますが、体調は良好です」と。
引用:真島消化器クリニック
「塩分犯人説」が”冤罪”となりつつあることは同時に、日常生活習慣の見直しこそ高血圧の最善の『治療法』であることを教えてくれてるのではないでしょうか。
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最後に高血圧に関しての最新版(2019年度)の動画をどうぞ