健康寿命 加齢に伴う疾患・症状

寝たきりを防ごう! 
「10月20日世界骨粗しょう症デー]に因んで

古林 茂樹
Written by 古林 茂樹
「10月20日 世界骨粗しょう症デー ]って何の日なの?

世界骨粗しょう症デー は、もともとイギリスの骨粗鬆症学会が1996年(平成8年)10月20日に骨粗鬆症の啓発を目的に創設したものです。

翌1997年(平成9年)から国際骨粗鬆症財団(IOF)が引き継ぐ形で実施している。この日は、骨粗鬆症および骨代謝障害の自覚を喚起するための1年間のキャンペーンの開始日でもある。

我々シニアにとって、加齢とともに気になるのが、[ガン][心疾患]そして[脳卒中]と所謂この三大疾病と呼ばれる疾患だと思います。

事実、わずか5.2%。 先ごろ発表された衝撃的な数値は、全国の自治体が行っている骨粗しょう症検診の受診率です。

日本では公益財団法人・骨粗鬆症財団(Japan Osteoporosis Foundation:JOF)が2008年(平成20年)から世界骨粗鬆症デーの活動に注力している。プレスセミナーや市民公開講座の開催、啓発ポスターの制作などを行っているとのことです。

とは言っても、やはり先ほどの三大疾病のほうに関心がいってしまい、なんと言っても骨が少々スカスカ担ってていたとしても、自覚症状がない。これですね、骨にまで関心が向かなく切迫感がないのは。

骨粗しょう症は女性の病気で男性は大丈夫かな?

大丈夫なんて、とんでもないです。骨粗しょう症は女性に多いことは、事実ですが、男性も決して安心はできないのです。男性も高齢になるにつれ、骨粗しょう症を発症する人が増えてきます。

男性が骨粗しょう症になって転倒すると、女性よりも大きな障害を受けやすいという傾向があります。「男だから骨は丈夫」という油断は禁物です。

日本国内の骨粗しょう症患者の推計は約1,280万人、うち女性が980万人、男性が300万人程度とされています。たしかに女性の方がかかりやすい病気ですが、発症している人の4人に1人は男性ということを考えると、決して油断はできないのです。

男性は女性に比べて骨格が大きく太いということもあり、若いときの骨量の貯金が女性に比べてたくさんあります。また、女性の閉経のような急激な女性ホルモンの変化もないため、骨量減少のペースは女性よりもゆるやかではありますが、高齢になればなるほど男性も骨粗しょう症になる人が増えるのです。

男性の場合、60歳を過ぎた頃から危険信号が点滅し、70歳以降になると女性の発症数のおよそ半分程度の割合で骨粗しょう症になっています。さらに80歳頃には骨量が若いときの70%ほどに低下し、男性でも骨粗しょう症を生じる人が多くなります。

世界骨粗しょう症デー

また、骨粗しょう症の発症に関連する糖尿病や高血圧などの生活習慣病にかかる割合や、骨の健康に影響する喫煙や飲酒をする割合は、女性よりも男性の方が高い傾向にあるため、その点からも十分な注意が必要なんです。

寝たきりになる原因として恐れられている「転倒」

「転倒をきっかけとして骨折し、そのまま寝たきりに…」という恐怖のコースはマスコミなどを通じて知られるようになってきていますが、「自分はまだ大丈夫」と軽く見ているのでしょうね。実は、加齢や運動不足によって、「転倒リスク」は50代、60代ごろから確実に高まっていくというデータが厚生労働省の「国民生活基礎調査」に もう出ています。

寝たきりになる原因は、「認知症」をはじめとしてさまざまありますが、忘れてはならないのが「転倒」(転ぶこと)ですね。

転倒は「介護が必要となる事態」にダイレクトにつながる。そう、マスコミなどでも頻繁に取り上げられる、「転倒をきっかけにして骨折し、寝たきりに…」という恐怖のコースだ

骨粗しょう症

[転倒」は体の衰えを示す“命の黄色信号”

東京健康リハビリテーション総合研究所所長・転倒予防のエキスパート・並びに転倒予防に関わる著書『いくつになっても「転ばない」など数多く手がけている武藤芳照さんは、「転倒は命の黄色信号」なのだと話されています。

若くて元気で健康なときには転倒することは少ないものです。しかし、歳をとったり、病気にかかったり、運動不足状態になったりすれば転倒しやすくなります。つまり転倒は、体の機能が衰え、弱っていることを表しているのです。そして転倒がその後の人生を大きく左右することも多くあります。転倒の持つ意味は実に重く大きいのです」(武藤さん)

筋力やとっさの事態に対応する反応スピードなどの運動機能は加齢とともに徐々に衰えていく。そして転倒リスクも確実に高まっていく。

転びやすくなったなと感じる「黄色信号」の段階で、適切な手を打たないと、将来、前述したような「恐怖のコース」を進むことになりかねない。

中には、転倒というと高齢者の問題で、働き盛りの世代には関係ないと思われている人もいるでしょう。しかし、誰もが着実に老いへの道を歩んでいるのです

とはいえ、恐れてばかりでは仕方ありません。“転ばないための習慣”を若いうちから実践していけば、将来の転倒リスクを下げることができます」(武藤さん)

 

転倒は、加齢や足腰の衰えだけで起こるのではなく、薬や病気による影響、そして道路や床がすべりやすくなっているなどの「外的要因」も複雑に絡み合う。

転倒対策は、筋肉などを維持するための運動習慣を実践するのはもちろん、外的要因による転倒リスクを下げることも含めた総合的な対策が必要になる。

今や、転倒・転落による死亡数は交通事故死の倍近くに

下記のグラフを見てください。これは、厚生労働省「人口動態統計」のデータから、病気などではない「不慮の事故」による死亡数の推移です。不慮の事故といえば、かつてはトップだったのは交通事故だったが、近年は一貫して減少傾向にあり、その一方で、転倒・転落による死亡数は増え続けています。

深刻化する高齢者の転倒・転落

「日常生活で起こる事故」の原因で最も多いのも「転倒」だ。東京消防庁は管内で救急搬送された人の数を原因別に公開している。

そのデータによると、救急搬送の原因で最も多いのが転倒(転ぶ)でおよそ56%を占め、次いで多いのが転落(落ちる)で12%ほどとなっており、この2つで約7割となっている(平成28年度のデータ)

救急搬送者の年齢別のデータを見ると、転倒・転落による事故による救急搬送者数(人口10万人当たり)は、歳を重ねるにつれて増加していることが分かる(下のグラフ)。そして、救急搬送者に占める、入院を要する「中等症」以上の割合も年齢とともに増えている。

転倒は骨折のもと! 恐ろしい大腿骨近位部骨折

高齢者の場合、骨が弱くもろくなる「骨粗しょう症」があると、転ぶことによって手首、肩、背骨、大腿骨の骨折をきたすことが多い。特に女性は閉経後、骨粗しょう症リスクが高まる

特に、寝たきりリスクにつながるのが、脚の付け根部分の「大腿骨近位部骨折」、その中でも大腿骨の付け根の内側の頸部というくびれた部分が骨折する「大腿骨頸部骨折」だ。大腿骨近位部骨折の発生率は、男女共に70歳以降で指数関数的に上昇する。

「大腿骨近位部骨折は他の骨折に比べ、歩行能力が著しく低下し、日常生活動作の低下も非常に大きくなります。一般に治るのに3カ月程度かかるといわれており、その間に筋力も大幅に低下します。このため寝たきりや要介護につながりやすいのです」(武藤さん)

手術後の入院期間はもちろん、リハビリテーション期間も長いために、本人はもちろん、家族の肉体的、精神的、経済的負担も重くなります。大腿骨近位部骨折の場合、手術と入院によって平均150万円ほどかかるといわれます。いかに転倒を予防するか、対策が重要なのです」(武藤さん)

転倒恐怖者の「負のスパイラル」

転倒による骨折は、身体面だけでなく精神面にもダメージを及ぼす。心の痛みと不安、恐怖感が強くなり、自ら活動を制限することから身体機能が衰え、かえって転倒リスクが高まってしまうという「負のスパイラル」に陥るのだという。

転倒・骨折を経験すると、本人が『自分が転んで骨折したために、家族に迷惑をかけてしまった』と自責の念を抱きます。転倒前に、真面目でこまめに動く、働き者であった方ほど、そういう思いが強くなり、家の中に閉じこもりがちになる傾向があります。

そんな日々が続き、体を動かさなくなると、筋肉も骨も弱くなっていきます。その結果、『二度と転んで骨折したくない』という思いとは逆に、再び転倒し骨折するリスクが高まってしまう、という皮肉な状況を生み出しています」(本人経験済み)

『老化は足から』

といわれるように、歩く力の衰えは人間の運動器の衰えと密接に関係しています。二本足で歩くという動作は『片足立ちの連続技』です。これができるということは身体の運動機能と感覚機能が正常なレベルにあることを表しています。

逆に言うと、転倒とは片足立ち(=歩行)が円滑にできないことにより起こる現象ともいえるのです」

転倒リスクをセルフチェックする「健脚度」とは

あなたは大丈夫? 転倒危険度セルフチェックをやってみましょう。

1 一定距離を歩くのにかかる時間(歩く能力)

「家から最寄りの駅」など、日常よく使うルートを歩くのにかかる時間。以前は6、7分で到着したものが、今では10分を超えるようになったなど大幅に変わっていたら要注意。

2 またぐ動作

水たまりをまたぐ、電車からプラットホームまでの間をまたぐ、といった動作のときに、以前よりふらつくようになった。

3 昇って降りる動作

バスを乗り降りするとき、階段の上り下りをするときなどに、転びかけてヒヤッとすることが増えた。あるいは、手すりを使わないと怖いと感じるようになった。

以上のいずれかが「以前より思い当たる」ようなら要注意といえます。そして

『老化は脚から防ぐことができる』同時に『脚の老化度』ともいえる健脚度の変化を知ることで、その後起こりうる要介護の状態、寿命の長短を予測できるわけですから。

サー! 転倒防止のためにも、始めましょ! 足筋トレを

かかと落としストレッチ [目安]2セット

かかとに振動や刺激が加わる運動は、骨粗しょう症の予防に有効です。また筋肉をつけると骨粗しょう症も防げます。

足を落とす

仰向けになり、片足を天井方向に伸ばしたら、そのまま、かかとは脱力してから床に足をドシンと落としていきます。床が硬くて痛い場合はタオルなどを敷きます。片足4回ずつ行います。

片足立ちストレッチ [目安]好きなだけ

重力がなく体重の負荷がかからない宇宙空間では、骨からカルシウムが抜けて骨密度が低くなることが分かっています。負荷をかけると骨は強くなります。

片足に体重を乗せる 片足の足首に反対の足の裏を添えて立ちます。グラグラするときはテーブルや壁に手をついて行います。

出来る人はさらに

添えた足を少しづつ上に上げていき、体重を完全に片足に乗せます。ひざを前に出して上げてもOKです。かなりの効果が期待できます。

 

そしてより高負荷の[骨運動]可能の方々には

上記のような[かかと落とし]です。初めはゆっくりとかかとの上げ下げで、これだけでもふくらはぎの筋肉を強くする運動ですが、
慣れてきましたら、かかとを下げる際に、初めはトンと軽く、そしてドスンと骨に負荷をかけていきます。

また回数に関しましても、60代、70代以上の方々も徐々に回数を1日10回、20回、そして30回と痛みが出ない範囲で増やしていけば、立派な骨体操になり、このような衝撃運動はより骨を強くする効果が期待されます。

そしてこの[かかと落とし]は、骨運動のみならず、女性にとって大きな悩みのしわ、薄毛 そしてゴースト血管などに影響をあたえている毛細血管にも好影響を与え、その他にも高血圧、又最も怖い認知症予防にも貢献しています。これについてより詳しくは『STOP』ゴースト血管、「かかと落とし」でをご参照ください。

人生100年時代と声高に言われるようになり、“老後”や“第2の人生”などと呼ばれる期間が長くなっているのは周知の通りです。この長い期間を、「寝たきり」にならず、いつまでもアクティブに歩けるように健康を、特必要とされる日光浴をしながら足腰を鍛えましょう!

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About the author

古林 茂樹

古林 茂樹

1946年(昭和21年9月16日)、長野県生まれ、紆余曲折の末、古希を迎えた70歳からbloggerとなり、現在ちょうど4年目(Sept.30,2020)だが、いまだ試行錯誤の毎日、だが、ヤリガイがあり、縄跳び、swimming, & ワインと共に楽しく、happyな毎日です。
I'v lived a life full of ups and downs, and turns and twists, however, I'm happy.